特養職員紹介⑦
お世話になっております。特養スタッフの後藤です。20代が終わりました。
前回は新人達のフレッシュなお話を聞くことが出来たので、今回はベテラン戦士のありがたいお話を聞くべく、舛田さん、藤阪さんのお二人にお越しいただきました。
後藤:それじゃあ、お願いします。
舛田&藤阪:お願いしまーす。
後藤:お二人はいわゆる、2012年 サラージュ豊中のオープニングスタッフになるんですかね?
舛田:そうですね。私はそれまでホテルで勤務していて、両親の介護に携わるようになったのをきっかけに介護職への門をたたいたんですが、時期もちょうどよく、サラージュの開設と同時に介護職のキャリアをスタートさせた感じです。仕事としての介護は未経験だったので、オープンまでの間は愊美会の別の施設で数週間修行させていただきました。
後藤:(サラージュ)南吹田ですか?
舛田:えーっとどこやったかな…、駅から遠いところ…
後藤:思い出のキャリアスタート忘れてはる!(笑)
舛田:まあええやないですか(笑)
後藤:藤阪さんは?
藤阪:私もオープン当初から働かせてもらっていますが、実はオープニングスタッフとしてではなくて、1ヵ月後くらいに入職しています。
後藤:あ、そうなんですね。てっきり最初からだと思っていました。
藤阪:もともとデイサービスで働いていて、サラージュのオープニングスタッフとして入職した知り合いに誘われたのがここに来たきっかけです。当時は希望部署を訪ねられたので、特養を希望しました。
後藤:え?デイで働いていたのに?
藤阪:はい。そのデイが介護職としての始まりだったのですが、自立度の高い方が多く、ほとんどレクリエーションのファシリテーターや軽介助程度の介助量でしたので、「もう少し生活介助に重きを置いた部署に行ってみたい」と思い始めていたころだったので。
後藤:なるほど~。それで入ってみた特養はどうでした?
藤阪:排泄介助、いわゆるオムツ交換を今までしたことなかったので、大変でした(笑)
後藤:それを今、佐々木君と小守君が体感していると思うとどうですか?
藤阪:「頑張れ~!」って感じです(笑)
後藤:それから8年、色々と変わっていく様を見てきたとは思いますが、どんな思いですか?
舛田:言い方はあれやけど…いろいろと一周した感じがあるよね
藤阪:ご入居者も入退居が多くあって、職員も変わって、移ろいで行く感じが正直否めませんでしたが、あっという間です。
舛田:まあでも最近は、若い職員が増えたなあ。ということと、受け入れられるご利用者さんの幅が広がってきたなという実感がありますね。
藤阪:最初は分からないなか必死で、って感じでしたが、今は多少なり自分らのなかでもある程度の線引きが出来るようになってきたかなあと思います。良くも悪くもですけど。
後藤:と言うと?
舛田:「難しいケースや」って構えることは必要かもしれませんが、そのラインが必ず正しいとは言い切れないじゃないですか。
藤阪:周りから気兼ねなく「いまはこうやで!」「だからこうやるんやで!」「こっちの方がええで」って、その若いリーダーや若い職員さん達から言ってきてもらって私らは構わないですし、そうしてほしいとも思っているんですが…
舛田:「気を使わせてるなあ~」って、二人で話してます(笑)
後藤:ん~、どこの職場でもその悩みはあるでしょうし、舛田さん・藤阪さんと、山本さん・今蔵さんの世代間交流を見てると、うちはそのなかでも良い方じゃないかなあと思うんですけどねえ。一昨年ほどお二方が「おりゃー!」って言ってない気がします(笑)
藤阪:ちょっと前までは「若いお母さん世代」が後輩だったのが、今は娘世代や娘より年下の世代と職場が一緒になってますからね。ご時世的にも変わってきてると思いますよ。
後藤:なるほど、より世代間が広がってきていると?
舛田:それは確かにあるかも。まあそれでもヤイヤイ言わんでも動いてくれたり、新人さんも出来ることが順調に増えてきていることが、何よりやと思っています。そのなかでも私らがやるべき「おばちゃん仕事」は率先して気づいてやるべきだと思っています。こないだ「僕はトイレの手伝い行くんで、洗濯お願いします!」って言われたときに改めて感じました(笑)
藤阪:「この子洗濯苦手なんやろなぁ」って?(笑)
舛田:いやまあ、ささいな事かもしれないですけど、それで自分もやるべきことがハッキリするところはあるじゃないですか。そう言ってくれたのは嬉しかったですよ(笑)
~空虚の時間~ わずか7秒程度
急に短冊が折れる音:バキッ!!
その辺にいた全員:あっ!!
舛田:びっくりしたぁ…
後藤:なんで折れたんですか!?
山本:なんででしょう?重み?
藤阪:私たちの願いが(笑)
須田(初登場):そういやなんでこれだけ(職員用の短冊)残ってたんですかね?
後藤:フロアに飾っていたのは、七夕終わってから処分したんですけど、職員のはほら…、願いが強かったから(笑)
舛田:ああ、「お嫁にいきたい」とか「ウエディングドレスが着たい」とか。
須田:違いますよ、「お嫁に行かせて 時間がない」ですよ(笑) 私の願いではないですけど。
後藤:切迫感ありますねえ。
舛田:みんなまだまだ若いんやから、絶対大丈夫やて。
藤阪:そやそや。お師匠が言うてるんやから絶対みんな大丈夫や。
舛田:せやで。気楽に考えたらいいねん。別に1回だけじゃなくてもいいんやから。
山本:どう生きてきたら今の言えるようになるんやろ(笑)
須田:お師匠のお言葉ありがたすぎる…今の清書して飾りましょうよ。
舛田:まあ色々経験することやな(笑)
藤阪:結婚はタイミングやで。いくら好きおうててもタイミングが合わんと。今の男の人はもっとしっかりせなあかんわ。
舛田:優しすぎるよね。もっと引っ張って行こうって気概を持たんと。
藤阪:「俺に任せとけー」っていうね。ここぞというときに決め切れない人はタイミングを逃しとる。
後藤:まあこと介護に関しては、優しい人が入職されることが多いですからね(笑)イケイケ系は法人のなかでも…何人かおるか…(笑)
藤阪:そういう人はもう結婚してるでしょ?
後藤:確かにそうかも。
舛田:まあ、人生は結婚だけじゃないし、楽しめることを自分で探しはったらいいと思うけど、女性は結婚に憧れることはあるでしょうしね。でもホンマにみんな焦らんでいいとは思います。
藤阪:みんな、仮にそのまま30歳超えたら、めちゃめちゃモテるやろから。断言しときます。
後藤:ですって。皆さん良かったですね。
その辺にいた若年層:パチパチ(拍手)
後藤:…で、なんの話でしたっけ?
藤阪:いや…なんだったでしょう…
後藤:ちょっと強引に戻しますが(笑)これから介護職を志す方や、サラージュへ来てくださる職員さんに向けて、介護のやりがいだと思っているものを教えてください。
舛田:そうですね。私は自身の親も介護している中ではありますが、施設での介護だからこそ出来ることや接し方があると思っています。適切な距離感、適切なケアによってご入居者が喜んでくれたり、笑顔を見せてくださったりするのは本当にうれしいですし、そのケアをご家族が認めてくださって、労ってくださったり、嬉しいお言葉をかけてくださったときは本当にやっててよかったと思えます。
藤阪:直に感謝の言葉を聞けるのは最高ですよ。これを体感できる仕事は他にないと思っています。最初は初対面で「他人」であるところからのスタートで、徐々に距離を近づけて信頼していただく、自分を知っていただく事は難しさでもあり、楽しさ・やりがいだと思います。何度かあるんですけど、「あなたのこれからの人生が幸せになりますように」と本気で思って、仰ってくださることがありました。
後藤:心が通じたからこそ、かけて頂けるお言葉でしょうね。
藤阪:そうなんです。聞いたら分かると思うんですけど、偽りなくそう思ってくださっているのが伝わってきて、そのときはとても嬉しい気持ちになりました。
後藤:それは嬉しいですね。自分は正直、そんな経験ないので。藤阪さんだからこそかけて頂けたお言葉なんでしょうね。
舛田:ゴールや正解がない介護という世界のなかでも、藤阪さんや私が思っているようなやりがいは、人それぞれたくさんあると思いますよ。それは今の若い人でも、これから入って来てくれる方でも、それぞれの感性で見つけてほしいなと思います。
後藤:締めで使おうとしていたことを先に言われました。さすがベテラン戦士ですね。これからも、みんなを見守っていてください(笑)ありがとうございました!
舛田&藤阪:ありがとうございました~
ご家族への様子報告を欠かさず、体調管理で些細な事でも見逃さずその人のもとへ駆け寄る舛田さん。ご入居者自身が楽しめるように、生活をより良くするためにどうしたらいいのかを考え、時には先頭に立ち、時には陰から支えてくれる藤阪さん。
ひとつのケアで「ああでもない」「こうでもない」を退勤してからも、この人たちは電話で話しているらしいです。1人に対して、1つの事にたいしてこんな熱くなれる介護士、このご時世他にいるんでしょうか。熱くなっても表情だけは柔らかくしてください。時折顔が怖いです。
「悪いけどこの日、若造しかいないから出てくれ」「分かった。いいよ」今年だけでこのやり取りが何回あった事か分かりません。いくらチームが若返ろうと、結局この人たちは必要で、居てくれないと困る存在であることはみんな当然のように分かっています。
今自分たちがこうしていられるのも、大変な時期をこの人たちがなんとか踏ん張ってくれたからこそ。この人たちに成長した姿を見せることが、自分たち若造の出来る感謝の気持ちの表現なのかもしれません。
それではまた。次回はサラージュ豊中みんなのアイドル 今蔵彩弥さんです!!